小杉泰『イスラーム 文明と国家の形成』

2011/12/31 17:18
広報委員(宮嶋)

 

 

小杉泰『イスラーム 文明と国家の形成(学術選書054 諸文明の起源4)』 

 

四六並製・540頁・税込 2,100円 

ISBN: 9784876988549 

発行年月: 2011/12 

 

■内容 

イスラーム文明は、現代文明の重要な一翼を形成している。本書はイスラーム「文明」の奥行きと幅広さを、7〜10世紀の初期イスラーム文明圏の形成過程に焦点を当て、その根幹をなす特質をクローズアップしつつ総合的に論じたものである。日本を代表するイスラーム研究者の一人である著者の視野は広く、アラビア語原典史資料の探求と国際的な研究の最先端を統合して、ここには日本人による新しいイスラーム学が明確に示されているといる。  

 

■目次 

口 絵 

目 次 

はじめに 

 

第1章……イスラーム圏の地理的・空間的拡大 

 1 アラビア半島 

 2 宗教と国際関係 

 3 大征服と版図の拡大 

 4 文明の重心点 

第2章……文明的な展開 

 1 宗教としてのイスラーム 

 2 文明の定義をめぐって 

 3 版図に加わった先行文明 

 4 独自の文明形成 

第3章……文明の形—イスラーム的特質 

 1 乾燥オアシス地帯と遊牧文化(バダーワ) 

 2 アラビア半島の遊牧文化 

 3 文明と遊牧文化の差異 

 4 農耕・都市・遊牧文化の三項連関 

 5 二つの都市と三項連関 

 6 聖典のバダーワ的性格 

第4章……共同体と国家の形成 

 1 国家なき部族社会からウンマ原理へ 

 2 「マディーナ憲章」再考—最近の研究動向から 

 3 マディーナ憲章が描くウンマと統治権 

 4 クルアーンにおける「ウンマ」 

 5 宗教と民族の共存 

 6 神権政治をめぐって 

 7 政教一元論 

第5章……カリフ制国家の形成と変容 

 1 後継者の選出 

 2 カリフ政体(ヒラーファ)の成立 

 3 長老支配か、門閥政治か 

 4 共同体=国家の分裂 

 5 王朝権力の成立 

 6 原型・理念・可能態としての初期イスラーム時代 

第6章……イスラーム化の進展 

 1 アラブ帝国の支配 

 2 統治制度の整備 

 3 イスラーム化の仕組み 

 4 イスラーム帝国の勃興 

 5 バグダード建設と国際貿易ネットワーク 

 6 「白い木綿」の隆盛 

第7章……アラビア語の成長と諸科学の形成 

 1 詩人の時代から聖典時代へ 

 2 紙の導入 

 3 翻訳運動 

 4 アラブ文学の誕生 

 5 イスラーム科学の成立 

第8章……イスラーム法の発展 

 1 イスラーム法の役割 

 2 クーファの学統─法学者の誕生 

 3 学派の興亡 

 4 ハディースの収集 

 5 大法官アブー・ユースフ 

 6 理性主義神学をめぐる闘争 

第9章……イスラームの体系化 

 1 文明形成期の危機 

 2 分派と党派の先鋭化 

 3 スンナ派の静かなる革命 

 4 ウンマの一体性 

 5 思想の市場メカニズムと科学の自立 

終 章……その後のイスラーム文明と国家 

 1 アッバース朝後期から諸王朝の時代へ 

 2 イスラーム文明の展開 

 3 イスラーム文明の退勢と「文明の復興」 

[注] 

 

あとがき 

イスラーム文明への理解をさらに深めるための文献案内 

引用文献一覧 

索引(逆頁)