高橋誠一郎『黒澤明』で「白痴」を読み解く

2011/08/14 07:53
広報委員(宮嶋)

黒澤明で「白痴」を読み解く 

高橋誠一郎著 

 

■書誌情報 

ISBN978-4-915730-86-3 C0098 

四六判上製 本文縦組352頁 

定価2940円(本体2800円+税) 

2011年8月 

 

※学会員特別価格 2、500円(税込み)、送料無料  

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■概要 

『白痴』の方法や意義を深く理解していた黒澤監督の映画を通し、登場人物の関係に注目しつつ『白痴』を具体的に読み直す──。ロシアの「キリスト公爵」とされる主人公ムィシキンの謎に迫るだけでなく、その現代的な意義をも明らかにしてゆく。 

 

■目次 

 はじめに──混迷の時代と「本当に美しい人」の探求 

序章 「謎」の主人公──方法としての文学と映画 

 一、長編小説『白痴』の構想 

 二、映画《白痴》の構造と特徴 

第一章 「ナポレオン風顎ひげ」の若者──ムィシキンとガヴリーラ 

 一、外国帰りの若者 

 二、「仮面」のテーマ 

 三、「神様の遣い」のような若者 

 四、「謎の下宿人」 

 五、「非凡人」への憧れ 

第二章 ロシアの「椿姫」──ナスターシヤとトーツキー 

 一、『白痴』と『椿姫』 

 二、黒澤映画における『椿姫』のテーマ 

 三、ナスターシヤの「新しい」解釈 

 四、「報復」の衝動 

第三章 ロシアの「イアーゴー」──レーベジェフとロゴージン 

 一、噂とスキャンダルの手法 

 二、「混乱した社会」と「力の権利」 

 三、映画《醜聞(スキャンダル)》 

 四、「大地主義」の理念とロゴージン 

第四章 「貧しき騎士」の謎──アグラーヤとラドームスキー 

 一、『貧しき騎士』とムィシキン 

 二、アグラーヤの花婿候補 

 三、決闘とその考察 

 四、二つのムィシキン像 

第五章 「死刑を宣告された者」──イッポリートとスペシネフ 

 一、「思想上の対立者」 

 二、「殺人」の「使嗾者」 

 三、《キリストの屍》と「最後の信念」 

 四、さまざまな画策 

第六章 ロシアの「キリスト公爵」──悲劇としての『白痴』 

 一、花婿候補としてのムィシキン 

 二、影の主人公・パヴリーシチェフ 

 三、悲劇の誕生 

 四、十字架というシンボル 

終章 ムィシキンの理念の継承──黒澤映画における『白痴』のテーマ 

 一、「記憶」の力 

 二、文明の危機とその克服 

 三、現実の直視と普遍性への視野 

 あとがき